スタイルブランディング®コラム

巨像の戦略的イノベーション/スタイルブランディング®コラム

(2014-11-04)

1992年末、IBM取締役会の選考委員会は、ガースナーにCEOとして事業再建を要請した。
ガースナーは二度断った。
その理由は「情報技術に詳しくないので、IBMを経営できるとは思えない」というものだった。
しかし最終的には、選考委員会のメンバーの一人、トム・マーフィーが彼を説得した。

{{strong}}IBMを救える可能性は十分にある・・・ぶつかっているのは基本的に技術の問題ではない。
・・・次の指導者がまず取り組むべき課題は戦略と企業文化の変革であり、
私がアメックスとナビスコでやってきた点とかなりの部分で重なっていると、マーフィーは
繰り返し説いた。{{/strong}}

引用:「戦略は直観に従う」/著:ウィリアム・ダガン/発行:東洋経済新報社
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これは、双方がそれぞれをの本質をしっかりとわかっていたからこそ成し得た、
求めるものと転用できる強みがベストマッチした、最たる事例です。それも巨大企業において。

ガースナーは、自分の強み=できることが何なのかがわかっていた。
マーフィーは、問題の本質=手をつけるべきことを見抜いていた。
だから、何ができる人であれば現状を救えるのか?が明確で、説得力があったということです。

結果、ルイス・ガードナーがIBMをハードウエアからシステム統合企業に転換して、IBMを再建しました。
巨大企業の優秀な人たちだからこそ出来得た成功事例・・・と捉えずに、
我々も、日ごろから「できること」「できないこと」と「問題の本質」にたどりつくために、考えつくす。

自分(たち)の足元と頭と心の中に、未来を切り拓くヒントがたくさん眠っているのではないでしょうか?

株式会社スタイルブランディング® 平山正人