スタイルブランディング®コラム

人は何かを成し遂げたがる/スタイルブランディング®コラム

(2006-09-08)

人は精神的、心理的に働くことが必要だから働くだけではない。
人は何かを、しかもかなりの多くの何かを成し遂げたがる。
自らの得意なことにおいて、何かを成し遂げたがる。
能力が働く意欲の基礎となる。
                         ~P.Fドラッカー「現代の経営」

引用:「仕事の哲学」著者:P.F.ドラッカー/編訳:上田惇生/発行:ダイヤモンド社
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クライアントとセッションをしていく中で、
このドラッカーの言葉を象徴する出来事がありました。

ある自分の夢と、現在の仕事のどちらのキャリアを選択するべきかを
長い期間悩んでいたクライアントに対して、「事実」と「気持ち」の整理を行ってみました。

すると、意思決定できないでいる理由が、「どちらのキャリア選択が良いか」ではなく
「今の仕事をやめる理由は何か?」がはっきりしていないという事がわかりました。

今の仕事だけの事を考えたら「辞めたくない」という気持ちを持っており、
その理由は「まだ自分の仕事の結果に満足していない」ということでした。

「夢」に対しての気持ちが、ある外的要因において膨らんできた事による悩みでしたが、
「もっと自分の仕事を全うしたい」「期待されていることを成し遂げたい」
「今のレベルで次のキャリア選択したら後悔する」という気持ちがはっきりとわかり、
期間をきめて具体的な目標到達を目指して、「成し遂げた満足」を経験した上で、
次のキャリアとの比較をすることになりました。

セッションをしていく上でのふとした本音「満足していないんですよね」の一言が
キーワードになりました。それが、自分を取り巻く環境や外的要因に対してではなく、
自分自身の仕事の達成度のことである事であり、それが自分自身の影響が及ぶこと
であったために、意思決定ができたのでしょう。

せっかく勉強して評価されて得た仕事ですから、少なくとも自分の影響が及ぶ範囲の事に関しては、
「成し遂げた満足感」を味わうための努力をする価値がありそうですよね

株式会社スタイルブランディング
平山正人