スタイルブランディング®コラム

最高のキャリアをつかむ/スタイルブランディング®コラム

(2006-08-08)


最高のキャリアは、計画して手にできるものではない。
自らの強み、仕事のやり方、価値観を知り、機会をつかむよう
用意した者だけが手にする。
なぜならば、自らの得るべきところを知ることによって、
たんなる働きものが、卓越した仕事を行うようになるからである。
                 ~P.Fドラッカー 「明日を支配するもの」

引用:「仕事の哲学」著者:P.F.ドラッカー/編訳:上田惇生/発行:ダイヤモンド社
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最高ってなんでしょうね。
人それぞれの最高、その人なりの最高ってことですよね。

このドラッカーの言葉と文章は、僕自身にとってはとてもしっくりきて、腹におちる内容です。

想像してみてください。
「機会をつかむよう用意した者」と「漠然と今に至っている者」とを。
どちらが、主体性をもってその機会に立ち会えるでしょうか?
逆に言えば、用意をしていれば目の前の機会を、パスすることもできます。
なぜならその機会は「自らの得るべきところ」ではないと判断できるからです。

もちろん、失敗を恐れずに、チャレンジすることも大切です。
他にも、偶然や思っても見なかった事が突然起こったりします。
だからこそ、自らを知って機会をつかむ用意をしておくことが大切なのです。
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「個人のキャリアは偶然に起こる予期せぬ出来事によって決定されている事実があり、
その偶発的な出来事を主体性や努力によって最大限に活用し力に変えることができる」

「偶発的な出来事を意図的に生み出すように、積極的に行動する事によって、
キャリアを創造する機会を生み出すことができる」
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上記は、スタンフォード大学教授のジョン・クランボルツ(Krumboltz,John 1928-)氏が
1999年に提唱した
「計画された偶発性(Planned Happenstance):予期せぬキャリアの出来事を創造する」
という内容の抜粋です。

偉大なお二人の方が提唱されていることを、実際のカウンセリングの場に取り入れてみると、
今まで考えたこともなかった角度で仕事や将来の事、自分の内面や行動特性を見ることができて、
明らかな変化が起こり、主体的に仕事やキャリア形成を考えられるようになる方がいらっしゃいます。

詳細はお伝えできませんが、私のクライアントで1年後に訪れる事が決まっている会社の転換期
(例えば株式上場や買収、合併、社名変更、新規事業など)において、自身やその組織に
どんなことが起こりうるかを想定し、その際に自分が思い描くキャリアをつかむための準備をしている方がいます。
最初は、違う目的でキャリアカウンセリングをお受けになっていたのですが、
その途中で「予期せぬ出来事」が会社から発表されたために、「自分の強みや価値観」を再度整理し、
来るべき時に最高のキャリアをつかむ用意をされています。

普段の行動が理論で裏づけされる、またその逆も然り、そうすると人間は確信を持つようになります。
ドラッカーやクランボルツが提唱する言葉を実践してみたり、自分の行動を検証してみると、
面白い化学反応が起こりますよ。


*参考文献
・GCDF-Japan キャリアカウンセリングトレーニングプログラムテキストブック
・Mitchell,K.E.,Levin,A.S.&Krumboltz,J.D.1999
Planned Happenstance:Constructing Unexpected Career Opportunities Vol.77,No.2

株式会社スタイルブランディング
平山正人